エステティックサロン問題の課題

一番前の席に座れと言われたから言われたとおりにし、言われたとおりに授業をよく聞き、誰よりも早く手を挙げた。

月一回の書き取り競争ではディディーという名の女の子と一番を競い合った。 たいていは彼女の勝ちだったが、たまに私が勝つと父親は自分のことのように喜んだものだ。
私たちのクラスに、テデイという男の子がいた。 私とは正反対で、いつも後ろの席に座っていて、何にも興味を示さない。
ある日のこと、業を煮やした先生に指名されると、こう答えた。 「ぼく、どうでもいいんです」。
あとは沈黙。 私は驚き、先生はあきらめてしまった。
家に帰ると、私は父に報告した。 「テディは、どうでもいいんだって」。
何度も何度も、翌日も翌々日も「テディはどうでもいいんだって」と繰り返した。 どうして「どうでもいい」なんて言えるのか、私には理解できなかったからだ。
「どうでもいい」。 この言葉は今も私の頭にこびりついている。
とんでもない悪夢だって?そのとおり。 しかし「どうでもいい」と思ったら最後、毎朝ベツまあ、ドから起きあがってやる気を出すことも、新しい何かに挑戦することもできなくなる。
どうでもよくはない。 世の中に「どうでもいい」ことはひとつもない。
「どうでもいい」とは言わず、どんなことにも関心を向け、どんなことも大事にする。 それこそが神様から(あるいはDr.ハリー流に言えば「進化の歴史」から)の贈り物だ。
毎朝の運動も「どうでもいい」。 映画館で山盛りのポップコンを平らげても「どうでもいい」。

念願のプロジェクトを立ち上げるのも「どうでもいい」だろうか。 いや、どうでもよくはない。
「いいの、どうでもいいの」と思うようなら、あなたも終わりだ。 なぜか。
これからそれを説明する。 ここでDr.ハリーの第六ルールの登場だ。
ずばり「大事にしよう」である。 「大事にしよう」は奥の深いメッセージだ。
まずは運動と食事を大事にし、人生の第三ステージを存分に楽しめる身体と気構えをつくること。 この本では今まで、もっぱら身体の話をしてきた。
どうすれば一年後には今より若い身体でいられるかを説いてきた。 そのためには運動が必要で、その運動はこうこうでと説いてきた。

たぶん理解していただけたと思う。 運動で、あなたの身体は新品のスポーツカーなみに磨き上げられたかもしれない。
その素敵な車で誰かとドライブに出かけなかったら、宝でも、の持ち腐れだ。 身体を改造したのだから、次は生き方の、「気持ち」の改造だ。
ぴかぴかの新車みたいにチューンナップされた身体で、私たちは人生の第三ステージを定り出す。 走り出す以上は、その快感を分かち合う誰かが必要だ。
そこでDr.ハリーの第七ルールはこうなる。 「誰かと深く関われ」。
二五年来の付き合いになる夫でも、新しい恋人でもいい。 色恋抜きの親友でもいい。
とにかく「誰か」と。 自分を大事にし、人生の第三ステージのよきパートナーを確保したら、次は、家族や友人、仲間との関わりを「大事に」しよう。
仕事であれ遊びであれ、グループに加わり、地域社会の活動に参加するとか。 「面倒くさい」と思つてはいけない。
もともと人聞は一人で生きていくようにできていない。 哺乳類という動物は、群れで生きていくようにできている。
科学的なところは、Dr.ハリーが次の章で力説している。 歳をとったからといって社会参加をおろそかにし、引っ込みがちになったが最後、あとは死を待つのみだ。
誰かと何かを「大事にしよう」、そして誰かと何かに「深く関わろう」。 人問、くつになっても孤独になってはいけない。

そして最後に「大事に」したいのは、そして自分の属する群れの利害エゴを超えることだ。 自分の、を超えて、社会全体を、もっと言えば地球そのものを「大事に」する。
それこそ人間を人間たらしめているものと言えるだろう。 格好よく言えば、自分とその仲間を愛するだけでなく、もっと高いレベルで人類愛を発揮することだ。
ホームレスの人に食事を提供する施設でボランティアをするのもよし、チャリティーに資金協力するもよし。 このへんのお説教はドクターハリーも私も苦手だ。
非常に精神的な問題でいろいろあるが、しユめいあり、それをどう具体化するかは人さまざまだ。 そのへんの指南を求めたいなら教会に行くもよし、膜そ》一つ想してみるもよし、その手の本を読んでみるのもいいだろう。
ただ、これだけは言える。 自分のなかに「無私」の自分を発見できれば、それは素晴らしいことだ。
たいていの人は人生の第二ステージを、自分と会社、そして家族だけを「大事に」して過ごしてきた。 だからこそ、第三ステージでは違う生き方をしよう。
自分も、パートナーも、友人も、釣り仲間も、隣近所の人も、住んでいる町も「大事に」し、地球全体を「大事に」する生き方をしよう。 大脳辺縁系と感情の生物学ドクターハリーが語るここまで、私たちの身体とこの先何年も身体的に若返る方法について述べてきた。

今度は、感情や精神にまつわる部分を取り上げたい。 というのも、取り上げる話題の多くは、身体に関する話題と同様、私たちの生物としての歴史に大いに関係している。
特に、感情的に誰かとつながっていることは、結局は生物学的に必要なものとなり、いい人生の重要な部となり、私たちがこの社会で歳をとっていく際の本当の→課題となる。 一般に、人は歳をとるにつれ、まわりの人々とのつながりを保つあるいは充実した暮らしを送るという素晴らしいことをしなくなる。
女性は男よりも「つながり」や「つきあい」に長じているが、それでも子離れ・職離れ後の虚脱感から抜け出せず、これからは自分一人で生きていこう、それでいいんだ、と思いがちだ。 しかし、これは間違った考えだ。
フふ品、や」争レtオオカミやイルカのように群れを作る社会的な動物として進化してきた。 それは選択したものではない。
私たちの生存は集団の一部であることにかかっている。 アマゾンのジャングルに行って、孤立した人聞を見つけた人は誰もいない。
いるのはいつも部族集団だ。 自然のなかでは、たった一人だけでいる人間はない。

孤立は命取りだ。 そして集団で生きるために感情を持つ生物としてつくられた。
それが哺乳類の宿命だ。 「それがどうした。
哺乳類でいることがなぜそんなに特別なのか」とあなたは尋ねるだろう。 とにかく一億年前、私たちは毛皮で覆われたちっぽけな動物で、恐竜に踏まれないように、かろうじて進化の上の最適な位置にしがみついていた。
私たちが特別であり、勝利を収めたのは、第二の脳を作り上げたからだ。 原始的な、艇虫類の脳(身体脳)を覚えているだろうか。
あなたの脳を完壁に動かし、あなたが伝えることを正確に行う、驚くべき脳を。 だが哺乳類は腿虫類の上位に立つまったく新しい脳を作り上げた。
身体脳に対して、こちらは「感情だい申うへんえん脳」だ(学問的な名称は大脳辺縁系である)。 それは感情を管理する物質的な脳の一部で、いろいろな意味で最も重要な脳だ。
大きさは片手で包めるほど。 MRIスキャンでその働きを見ることができる。
さかのぼその発達は一億年前まで遡れる。 大脳辺縁系からの複雑な感情が、哺乳類の成功した理由で、恐竜は滅びたのに私たちは生き延びた理由だ。

私たちは最初から最後まで社会的、感情的生物なのだ。


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